震災や戦争など、多くの方が犠牲となる出来事が起こる度に注意したいことが「寄付・募金詐欺」です。
現場で苦労されている方のために役立つことがしたいと考えている人をターゲットに、寄付や募金を呼びかけてお金をだまし取る犯罪が、昨今では増加傾向にあるとされています。
そのため、信頼できる団体とそうでない団体を適切に見分けることが大切です。
できるだけ多くの人を救いたいという気持ちを無駄にしないためにも、過去に実際に遭った詐欺の事例と信頼できる団体の見分け方について解説します。
寄付・募金詐欺の手口と過去の事例10選
人の善意を利用して寄付金や募金を呼びかけ、自身の私利私欲のためだけに使用する「寄付・募金詐欺」が横行しています。
特に大きな災害や戦争など、多くの人が被害に遭う事件が起こる度に増加する傾向にあるようです。
警察や自治体が注意喚起を行っていますが、そのような手口が横行しているか、自身も把握しておくことが大切です。
実際に自治体や消費者庁に通報または相談があった事例を10種類ご紹介します。
(1)東北大震災の支援を装った詐欺
Aさんの自宅の電話に、
「東北大震災で被災された方を支援するため、2000万円集めています。一部、どうかご寄付いただけないでしょうか?」
という電話がかかってきた。詳しく聞くと、電話の相手は非営利団体を立ち上げて積極的に被災地を助けて回っているとのこと。
すっかり感銘を受けたAさんは、電話先の相手へ30万円を寄付した。
しかし数カ月たった後も何の音沙汰もないため、電話で聞いた団体をホームページで確認したところ、存在しない架空の団体であることが分かった。
また実際に、自分と同じような被害に遭っている人が何人もおり、人によって団体名を変えて名乗っていることが判明した。
(2)SNSで行われた寄付の代理の依頼詐欺
SNSでつながった、アメリカに住んでいるという友人から、日本で起きた地震に心を痛めている。ぜひ寄付をしたいから代わりに被災地へ渡してほしい、との連絡が入った。
相手の良心を無駄にしたくないからと引き受けたが、指定の振込先へさきに自分自身が先に50万円を代わりに振り込んでおき、後日、代わりに寄付してもらった50万円をこちらから利子を付けて渡す、と言われた。
指定された振込先も、日本語で書かれた支援団体のような名前であったため安心して振り込んだものの、海外に住むという友人からの連絡は途絶え、振り込んだ50万円は返ってこなかった。
(3)購入した一部を義援金に充てると謳った詐欺
自宅に電話がかかってきて、地元で採れたカニを半額で購入しないかとの勧誘だった。
一度は断ろうかと思ったものの、売上金の一部を被災地への義援金に充てるため、通常よりも安く販売してできるだけ多くの人に買ってもらいたいとのことだった。
それならばと、通常なら2万円のカニを1万円で購入した。
指定された場所に代金を振り込んだら代引きでカニが届いた。
しかし傷だらけで状態がひどいものが送られてきたため、返品と返金を申し出ようと電話をかけたもののつながらなかった。
またお店の名前をインターネットで探したものの、見つからず架空のお店であることが分かった。
(4)NPO法人や支援団体を装った詐欺
自宅のポストにNPO法人を名乗る団体からのチラシが入っており、義援金を集めるための寄付をお願いしているといった内容が書かれていた。
明るい印象のチラシだったため、電話をかけて寄付を申し出ると、相手から指定の振込先を教えてもらい、お金を振り込んだ。
しかし後日気になって団体についてインターネットで検索したが見つからず、電話をかけてもつながらなかった。
警察に相談したところ、同様の被害に遭った人が複数人いるとのことで、自身と同じようにチラシに記載された場所へ電話をしてお金を振り込んでしまったとのことだった。
(5)募金ができると謳ったURL先がフィッシングサイト
石川県の能登半島地震が起こってから数日後、メールが届いた。
「みんなで被災地へ支援しましょう!小額からでも簡単に募金ができます。」
さらに、募金してくれた人には有名なインターネット通販の商品券が3000円分も受け取れるとのことだったので、すぐにクレジットカードを登録して募金した。
さらにメールが届き、1回目よりも多くの金額を募金してくれたらさらに5000円分の商品券をプレゼント。
とあったため、さらに募金した。
上記のやり取りを複数回行い、総額で10万円分も募金してしまった。
しかし後日詐欺であることが分かり、商品券は届かないうえ、お金は返ってこなかった。
(6)動物愛護を装った詐欺
SNSで、動物愛護団体を名乗る人が動画と共にメッセージを掲載していた。
団体は劣悪な環境で保護または育てられた動物たちを引き取ってお世話をしているそうで、動画には狭いゲージに入れられた犬が写っていた。
しかし自治体からの助成金や寄付が少ないため運営が困難とのことで、寄付金を募っているとのこと。
気の毒に思ったため団体へ寄付を申し出て、10万円を振り込んだ。
しかし後日、SNSで動物愛護団体を名乗る詐欺が横行していることを知り、自身が振り込んだ団体も架空の存在であることが分かった。
悪質なケースでは、わざと動物虐待を行って視聴者の同情をあおり、寄付金と称した詐欺をすることもあるそうだ。
(7)市役所や自治体の職員を装った詐欺
地元の職員を名乗る人から電話があった。
現在被災地である~市とは姉妹都市にあたるため、義援金を募って支援する活動を行っている。
寄付してくれた人は、住民税を安くするから積極的に寄付をしたほうがいいとのこと。
物腰が柔らかくていねいな説明だったため、税金が安くなるならと疑わず指定の場所へ振り込んだ。
しかしいつまでたっても安くならないため市に問い合わせたところ、義援金を募る活動を行ってはおらず、住民税を安くするキャンペーンなどもないことがわかった。
(8)被災地へ物資を送るため協力してほしいと謳った詐欺
自宅に、NPO法人を名乗る人が来た。
それぞれの自宅にある物を売ってお金に換えて、海外で困っている人のために寄付をする活動をしているとのこと。
不用品があればゆずってほしいといわれたため、衣類や書籍などを渡そうとしたが
「このような物は受け付けられない」
「最近ではあまり売れないため他のものはないか?」
などなかなか回収してくれなかったが、「ブランド物や貴金属なら高く売って多くの金額が寄付できる」
とのことだったので、後に売却しようと思っていたブランドのバックや宝石を渡してしまった。
後になって不審に思ったため警察に相談したところ、NPO法人を名乗って金目のものやブランド品を集めている詐欺集団であることが分かった。
(9)被災地へ募金すればインターネットビジネスのノウハウ教材を格安で受け取れると謳った詐欺
インターネットで、被災地へチャリティー募金を行っており、募金してくれた人にはインターネットビジネスのノウハウ教材を無料でプレゼントするとの広告を見つけた。
有名な実業家が監修している教材だったため、疑わずに募金。
募金額5000円以上から商材がもらえるとのことだったため、有名な実業家が監修した教材なら安いと思い5000円を振り込んだ結果、メールが届いた。
しかし内容はたったの5ページしかなく、誰もが知っている当たり前のことしか記載されていなかった。
メールで返金を申し出たが返信はなく、電話番号が書いていなかったため連絡が取れない。
後日、チャリティー募金を装った詐欺であり有名な実業家の写真も無断で使用していることが分かった。
(10)海外に住む日本人を装って自身の義援金を募る詐欺
SNSで海外に住むという人から、地震に遭い被災地になってしまった県のために、現在住んでいる国で募金を始めたとのこと。
現在すでに1000万円集まったので、県へ寄付をするためのお手伝いをしてほしいと誘われた。
その人のSNSには、海外に住んでいるところやボランティア活動の実績が掲載されていたため、話を信じて協力に応じてしまった。
その人曰く、県へ寄付をするためには正式な口座にメンバーとして登録が必要で、登録料が3万円かかるとのこと。
言われたとおりに3万円を支払い登録をしたと報告したところ、連絡が途絶えた。
あわてて警察に連絡したら、SNSを用いた詐欺であることが分かり、海外での生活やボランティア活動の画像は、すべて他者の無断使用だったり合成されたりしたものだった。
募金詐欺と信頼できる団体の見分け方
人の善意を利用した詐欺は毎年非常に巧妙化しており、昨今ではSNSを用いた詐欺が急激に増加したことが分かります。
困っている人のために寄付をしたいと思っていても、悪意のある人にお金を渡してしまったら大変だと不安に思うでしょう。
しかし、信頼できる団体とそうでない団体を見抜く方法があります。
適切に見抜き、本当に力を貸すべきところへ確実に力が行き渡るよう注意しましょう。
団体の公式サイトを必ず確認する
寄付をしたい、協力をしたいと思ったら、まずは相手が名乗る団体の公式サイトをインターネットで必ず確認しましょう。
信頼できる団体ならば、だれもが見やすくて見た目が整った公式サイトを持っているはずです。
また見た目だけではなく、公式サイトにおいて下記がすべて記載されているか確認します。
◆活動理念や掲げている使命
真剣に活動している非営利団体は、必ず活動理念や使命を掲げています。そのため一貫した活動が行えるうえ、集まった寄付やお金も正しく使用できます。
◆これまでの活動実績
信頼できる団体はこれまで積み重ねてきた活動実績を公式サイトにてすべて掲載しており、画像や活動内容まで細かく記載しています。
◆寄付金と寄付先の明示
集まった寄付金額の合計や寄付してもらった物品の内容を公式サイトにて記載しています。また、本当に誠実性のある団体であれば、寄付をしたときの明細書まで細かく公式サイトへ掲載している団体もあります。
◆代表者名と連絡先と住所
団体の代表者名が掲載されており、メールアドレスと電話番号がしっかり記載されているか確認します。また信頼できる団体は事務所を構えていることが多く、事務所の住所も記載しています。
寄付を受け付けている物品の基準が厳しくないか?
非営利団体やNPO法人が寄付を受け付けているものは、大きく分けて物品と金品の2種類です。
なかでも物品の寄付を受け付けている場合は、条件が厳しすぎないかどうかが重要です。
寄付をしてもらった物品は、そのまま被災地や貧困で悩んでいる人のもと、または施設へそのまま寄付されるか、物品を売却してお金に換えて寄付するかの2つの用途があります。
そのため、本来ならば新品でなくとも汚損がひどくなければ受け付けてよいはずなのです。
にもかかわらず、ブランド品でなければならなかったり最新の家電製品でなければならなかったり、条件が厳しい団体は避けたほうが良いでしょう。
「いいことシップ ―ECO to SHIP―」は過去の実績や明細をすべて公開しています
「いいことシップ ―ECO to SHIP―」は、「不用品の寄付で、子ども達を支援」をモットーに活動をしている一般社団法人いいことファームが運営する非営利団体です。
企業や個人のみなさまから物品による寄付をいただき、寄付していただいた物品を国内外で再販したり一部寄付したりして、お送り頂いたお品物1箱につき100円を捻出し、子どもの教育や育成に力を入れている施設や団体へ寄付をする活動をしております。
実際に公式サイトにて、過去の実績だけでなく寄付先の団体名および寄付金額を明細書まで詳細に掲載している唯一の団体です。
ご寄付いただきたい物品は、汚損が激しくない物であれば問題ございません。 ※一部ご寄付いただけない物品がございます。
私たちのこれまでの実績やご寄付いただける物品について、下記よりご覧ください。
【公式サイト】「いいことシップ ―ECO to SHIP―」はこちら
まとめ
昨今ではSNSなども用いられた寄付・募金詐欺が横行しています。
そのため、信頼できる団体とそうでない団体とを適切に見分けることが大切です。
実際に起きた過去の事例を把握し、信頼できる団体を確実に見極めたうえで寄付をします。
寄付をしたいと思ったら、まずはきちんと作られた公式サイトがあるか、過去の実績が掲載されているか、代表者名と連絡先が記載されているかの確認を徹底しましょう。
いいことシップについて
不用品を段ボールに入れてお近くの集荷センターに送るだけ。
届いたお品物を販売して現金を捻出し、子ども達を支援する各種団体へ寄付いたします。
不用品の寄付で、寄付の実績を公表している唯一の団体です。
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