国内・海外問わず大きな災害が起こる度に、テレビのニュースでは被災地の様子が大きく取り上げられます。
現地で困っている人や悲惨な状況を目の当たりにしたとき、自宅にある不要な物やまだ利用できる物を寄付したいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
しかし寄付の方法を誤ると、かえって現地の方に大きな迷惑をかけることにもつながります。
実際に過去に起きた災害で、被災地に届いた支援物資の扱いに困り「二次災害」だとされた例もあります。
今回は、被災地の方にとって本当の意味での助けになるような、適切な寄付の方法や信頼できる支援団体について解説します。
個人での物資の寄付は二次災害になりえる!?
自宅に、まだ利用できるにもかかわらず使わなくなってしまった物や、不用品がある場合、被災地に寄付して使ってもらいたいと思うでしょう。
しかし物資を寄付するならば、個人で送ることは避けるべきです。
個人で寄付するべきでない理由を解説します。
送った物資が届かないため
地震や台風、津波など、日本は多くの災害に遭うリスクに見舞われています。
そして災害の多くは、起こる度に各場所へ続く道路や水道管、電線などのライフラインを断ってしまいます。
そのため個人で被災地へ物資を送っても、無事に届かないことがほとんどなのです。
通常ならば荷物を宅配便で送った場合、1~3日で送り先へ届きます。
しかしライフラインが断たれた被災地へ送る場合は、早くても1週間、最悪の場合は道路などが普及してから配送されるため数週間かかる場合もあります。
このように個人で物資を送ったとしても、通常の宅配便と同様に届くわけではないことを念頭におきましょう。
被災地で必要とされている物資は常時変化するため
被災地で必要とされている物資は常時変化します。
物資が届かないため足りないとされていたものが、道路の開通後支給されると十分に足りる場合があります。
たとえばライフラインが断たれたために届かなかった物資が、ある日を境に普及して十分に支給されるようになると、もう支援を頼まなくてよいほど足りることになります。
にもかかわらず「足りないと聞いたから……」と送り続けると、余った物資はすべて不用品となり、被災地の税金を使って処分しなければならなくなります。
被災地が本当に必要としている物は、日やタイミングにより大きく左右されるため、個人で把握することは非常に困難なのです。
現地での仕分けが必要になるため
被災地へ物資を寄付する際、食料品や小物、日用品や雑貨などいろいろなものを一緒にして送る方もいます。
しかし複数の種類の物を一緒に送ると、被災地において仕分けが必要になります。
全く同じカテゴリーやジャンルの物をすべて同じ箱に詰めてあればよいのですが、バラバラに入れられていた場合は、被災地の方がカテゴリー別に仕分けをしなくてはなりません。
またいろいろなものが詰まった支援物資の箱は、1箱や複数届くのではなく、数百個から数千個単位で届くため、被災地の方の労力を大きく削ぐことになるでしょう。
仕分けが必要な支援物資は、なおさら個人で送ることは避けるべきです。
不用品となった物資の処分にお金がかかるため
前述のとおり、被災地の方が必要としている物資は常時変化します。
そもそも多くの自治体は国や企業と協力して、災害時に備えた物資や生活の必需品の多くをあらかじめ備蓄しています。
そして支援方法についてもある程度システムが整っているため、必要最低限の物資は、被災地の方々へ行き渡るようにできているのです。
そのため個人で送られてきた支援物資の多くは、不用品として処分せざるを得なくなります。
また個人による支援物資が建物の敷地やスペースを圧迫してしまい、本当に必要な物資や機材が設置できなかったり、被災地の方のためのスペースとして利用できなかったりする問題が起きます。
不用品は数百個から数千個単位で残るため、処分するためには莫大な費用がかかります。
本来ならば復興支援に充てられるはずのお金が、処分のために使われてしまうケースも決して珍しくありません。
団体を通して物資を寄付すべき理由
では、物資を寄付することは迷惑なのか?というと、決してそのようなことはありません。
今は必要ないけれども、また必要とされるタイミングが巡ってくることも十分にあります。
そこで、物資を寄付するときは個人ではなく支援団体へ送ることをおすすめします。
必要なときに必要な物資を届けられるため
物資を寄付したいと考えている個人や企業から物を集めて管理し、自分たちの代わりに被災地へ送る、またはお金に変えて寄付をしてくれる支援団体が複数存在します。
そして支援団体は、長年の経験から被災地について熟知し、常に情報共有を行っている被災地支援のエキスパートたちです。
国内・海外において被災地の人とコンタクトを取りながら、いつまでに何の物資をどれくらい必要としているのか?
情報共有を行っているため、必要なときに必要な物資を被災地へ送り届けられるのです。
物資を寄付したいと考えているならば、支援団体へ送ることで必要なときに必要な物を被災地へ届けてもらいましょう。
ただし物資を寄付する際には、信頼できる団体の見極めが大切です。
見やすい公式サイトを持っており、活動実績や寄付した先、支援内容について細かく公開している団体こそが信頼できるといえるでしょう。
下記にて、信頼できる団体の見分け方について紹介しておりますので、併せてご覧ください。
不用品の寄付するにあたって信頼できる団体や寄付する方法をご紹介。
被災地の状況を常時把握しているため
多くの支援団体のスタッフは、被災地の状況が常に把握できるよう特別な許可を得て、現地の人と連携して情報交換を行っています。
ライフラインが断たれて物資が送れない地区、復旧が完了したため送れるようになった地区など、必要な物資を的確に送るためのシステムが整っています。
道路が寸断されて物資の配達ができないにもかかわらず、個人で物資を寄付した場合、道路が復旧するまで送り届けられないでしょう。
物資の支援が可能な地区を随時把握している支援団体へお任せしたほうが、被災地の方への大きな助けにつながります。
物資を効率よくまとめて送れるため
物資の寄付をしたいと考えている方はたくさんいらっしゃるでしょう。
箱の中にまったく同じ物資やカテゴリーのものだけがまとめられていたらよいのですが、様々な物資が一緒に入っている場合もあります。
毎日数百個から数千個単位で届く物資を仕分けることは、非常に大きな労力が必要になります。
そこで支援団体へ送ることで、被災地の方の代わりに団体のスタッフが仕分けをしてカテゴリーや物資ごとにまとめます。
そしてまとめられた支援物資は、フリーマーケットや必要としている場所へ売ったり必要になったタイミングで適切な地区へと送られたりします。
多方面から寄付された物資を常時まとめることで、効率がよくなります。
物資を寄付する際の注意点
自宅にある物を寄付したいとお考えの際は、ぜひ被災地への支援を主な目的としている支援団体へ送りましょう。
しかし、物を寄付する際に心がけておきたいことや注意点などがあります。
被災地の方に喜んで使ってもらうためにも、把握しておきましょう。
物資の寄付=自宅の廃品回収ではない
残念なことに寄付していただいた物の中には、あきらかに自宅の不用品処分と思われる物もまれにあるそうです。
汚損が激しい衣類や下着の古着、壊れた家電製品、人の顔写真が入った結婚式の引き出物など、使用が困難な物が挙げられます。
とはいえ必ずしも新品でなければいけないわけではありません。
「十分にまだ利用できる。しかし自宅では使用することがない」に当てはまる物資を送りましょう。
たとえば寄付したいと考えている物資があれば、以下について確認することをおすすめします。
・もし自分が災害に遭って避難生活を送ることになったとして、もらってうれしいと思う物か?
・フリーマーケットに出品できる物か?
どうしても悩ましい物は、支援団体のスタッフへ尋ねるか、実際にフリーマーケットやフリマアプリなどに出品してお金に換え、売上金を被災地または支援団体へ寄付する方法も検討しましょう。
被災地の情報収集を行う
物資を寄付したいと考えたら、まずは助けたいと思っている被災地の情報を集めましょう。
集めるべき情報は主に下記のような内容です。
・国土交通省による防災情報提供センター
・地震、台風、津波の被害状況
・災害ボランティアセンター、全国社会福祉協議会などが発信している必要物資や被災地の状況
また現地のボランティアやスタッフではない人による情報発信やSNSの投稿は、あまり参考にしないようにしましょう。
あくまで被災地の現場について知っている人からの情報に注目すべきです。
そして被災地は、ライフラインが整っているとは限らないため電話が通じないこともあります。
通じたとしても回線が混雑しており、緊急で繋げなければならない通話がつながらなくなる恐れもあります。
電話による問い合わせは避け、インターネットでの情報収集を心がけましょう。
被災地の自治体が管理する公式サイトや、内閣府や国土交通省などの省庁が公表しているサイトがおすすめです。
被災地へ送ることのできない物資
被災地への寄付を避けたほうが良い物は下記のとおりです。
・汚損が激しい物(※記名入りの物は、場合によっては受け付けてくれることがあります)
・下着の古着
・用途が不明の海外製品
・医薬品
・生鮮食品や冷凍食品
・結婚式の引き出物などで受け取った顔写真入りの食器や日用品
・壊れて使用できない家電製品
・生活や復興に直接関係がないもの(千羽鶴や寄せ書きなど)
迷ったときは支援団体のスタッフへ尋ね、不明のまま支援団体や被災地へ送ることがないよう注意しましょう。
物資を寄付するならば「いいことシップ ―ECO to SHIP―」へ
被災地へ寄付したい物資があれば、支援団体である「いいことシップ ―ECO to SHIP―」がおすすめです。
一般社団法人いいことファームが運営している団体で、「不用品の寄付で子ども達を支援」をモットーに活動しております。
当団体は、お送りいただいた不用品を国内外で再販したり一部寄付したりして、お送り頂いたお品物1箱につき100円を捻出し、お選び頂いた寄付先に寄付しています。
当団体へ送ることができるものと送り方
当団体は、子ども向けのおもちゃからファッション雑貨、日用品や食器、衣類など多岐にわたって寄付を受け付けております。
自宅にねむっている不用品がありましたら、ぜひご寄付をお願いします。
お送りいただける物資の種類については下記をご覧ください。
いいことシップ ―ECO to SHIP―【送ることができるもの】
そして当団体へお送りいただく方法は、下記の2種類がございます。
・日本全国にあります4か所の集荷センターへ送る
・日本全国にあります4か所の集荷センターへ直接お持ち込みいただく
集荷センターは札幌・大阪・神戸・横浜にありますので、自宅から最も近い場所へお送りください。
またお送りいただく際は、恐れ入りますが送料はご負担をお願い致します。
お持ち込みいただく際は、送料や手数料などが一切かかりません。
主な支援先
当団体では被災地への支援も積極的に行っており、物資をご寄付いただける際、支援したい被災地を指定していただくこともできます。
被災地の主な支援先は、下記のとおりです。(※2024年6月時点)
・令和6年能登半島地震災害義援金
・ウクライナ緊急募金
また今後も、災害により支援を必要としている被災地がありましたら、主な支援先として随時受け付けます。
そのほか主な支援先は下記よりご覧ください。
いいことシップ ―ECO to SHIP―【選べる寄付先】
まとめ
自宅にある物で、まだ使えるにもかかわらず自身では使用する機会がないが、被災地の役に立つかもしれない。
被災地の助けになりたいという気持ちは大変かけがえのないものです。
しかし誤った方法で誤った物を送ってしまうと、かえって被災地の方の迷惑になる可能性もあります。
そこで、物資を送る際は現地の情報収集を徹底し、支援団体を通じて送りましょう。
送るべき物資は、自分がもし被災したときに送られてうれしい物か?フリーマーケットで他人様のために出品できる物か?を判断基準にするとよいでしょう。
「いいことシップ ―ECO to SHIP―」では、被災地への支援物資を受け付けております。
団体についての説明や活動実績など、下記よりご覧ください。
【公式サイト】いいことシップ ―ECO to SHIP―
いいことシップについて
不用品を段ボールに入れてお近くの集荷センターに送るだけ。
届いたお品物を販売して現金を捻出し、子ども達を支援する各種団体へ寄付いたします。
不用品の寄付で、寄付の実績を公表している唯一の団体です。
サービスについてご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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